狼に育てられた少女からの教訓②
島根保育園
狼に育てられたカマラの話から、人間の能力の素晴らしさ、そして、幼少期にどんな環境で育てられたかで、その子の一生を左右することにつながるということをお伝えしました。
幼児の時期は、ものすごい吸収力があると言うことでもあります。
夫婦喧嘩は謹んで
日本の赤ちゃんがみな日本語を話している。この何でもない事実の意味することは、実は大変だったのです。
大阪に育てば大阪弁が、東北に育てば東北弁が、赤ちゃんは生まれおちた時から、これを耳にするから身につくのです。だから子供に美しいことばを身につけさせたいと思ったら、赤ちゃんの時から汚い声を遠ざけ、美しい声を繰り返して聞かせるようにすることです。
赤ちゃんの前では、夫婦げんかも慎まなければなりません。「赤ちゃんだから平気だ」ではなくて、「赤ちゃんだからこそ大変」なのです。親になったからには、子供のために、親自身がりっぱなお手本を示すべく努力しなければなりません。
早口でしゃべる親の子供は、やはり早口、乱暴な大声でしゃべる親の子は、やはり乱暴な声、子供の良い悪いは、すべて親の責任であって、決して子供の責任ではありません。くれぐれも細心の注意が大切です。
赤ちゃんに語りかけることが必要
まだ言葉を聞き取る能力がないと思われる赤ちゃんに、よく語りかけているお母さんがあります。何かにつけて、とてもわかるまいと思うような言葉を、やさしい声で語りかける。
これはムダのように見えますが、じつは、これが大事な教育なのです。
赤ちゃんは、それを大脳に記録しているのです。それだから、良く話しかけるお母さんに育てられた赤ちゃんは、言葉を良く覚え、言葉を使う能力を伸ばし、知能を高めるのです。
「日本語塾」石井勲著 より
今の若い人たちは、言葉の語彙がとても少ないと言われます。ものすごい吸収力のあるこの幼児の時期に、正しい日本語、美しい日本語を身につけ、語彙を広げることは、脳を活発に使うことになり、将来の生活に非常に重要な意味を持っています。